機構の大学評価早わかり05  評価の質の向上のために—利益相反の管理—

機構の大学評価早わかり05  評価の質の向上のために—利益相反の管理—

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評価の質の向上のために—利益相反の管理—

大学評価を実際に担当する評価者とは、どんな人でしょうか。

評価をするには、当然ながら、評価対象について適正な評価ができるだけの知識と経験を持っていることが前提になります。大学という組織の構造や運営方法には特殊な要素があり、また大学における教育研究活動は、かなり専門的な内容です。たとえば、大学がその教育内容を当該分野の専門用語を用いて説明する場合、自らもその分野で教育を担当している専門家、あるいは担当した経験がある専門家でなければ、その説明を理解して検討することは不可能です。そのため、現在の日本における大学評価では通例、大学関係者の中から評価者を選考します。また、評価者をこのような形で確保することは、日本以外の各国でも同様の理由から同様に行われています。評価を受ける大学とは別の大学に所属するものの、教員・研究者として比較的均質な集団に属する人々が評価者となるわけで、ピア(仲間、同輩)がピアの活動を評価することになります。

しかし、ピア・レビューとは、同じ世界に属する仲間同士で評価することだと言わざるを得ません。となると、評価が客観的なもの、公平なものであることは保証できるのでしょうか。「仲間うち」の馴れ合いにならないのでしょうか。こうした懸念が生じることは当然です。

このような懸念を自覚して、認証評価機関は十分な配慮を行っています。具体的にはまず、「身贔屓」による評価の発生を疑われないように利益相反を排除します。評価対象となる大学や部局との間に個人的な利害関係を持たない者が評価にあたるように配慮しています。具体的な規定は個々の評価機関や評価制度によって異なりますが、たとえば、現在もしくは近い過去に、対象大学や部局で教育研究を行ったり、経営に参画したりしたことがある人がその大学を評価することがないように評価者を配置し、会議における合議の際には退席を求めるなどして、評価に関与することを排除します。

しかし直接の利害関係がなくても、大学関係者という「仲間うち」の馴れ合いであるという社会の批判を受ける可能性は十分にあります。この批判に応えるために、まず、大学関係者以外の有識者を認証評価委員会の委員に選任し、評価の方針や評価結果の決定に参画してもらっています。さらに、実際の評価を担当する評価部会にもこれらの有識者が参加するようにして、さまざまなレベルで大学関係者の暗黙の了解のみに頼った評価となることを防ぐようにしています。機構の機関別認証評価では、そのような有識者として企業関係者、高等学校関係者、ジャーナリスト等が加わっています。

さらに、評価の際には、大学の実情を分析するために、通常であれば公表されない内容の資料も検討する必要がありますので、公正性に疑いを抱かれることがないように、当機構の場合は、基本的な方針である『実施大綱』や『大学評価基準』に加えて、大学が自己評価を行うための要項や評価部会が評価を行うための手引を作成し、かつ公表することによって、どのような方法で評価が行われているかを明らかにし、社会に対して透明であることを目指しています。

このようにして、大学評価が身内だけに閉じられた評価にならないよう配慮しています。

◆豆知識

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※参照

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☞さらに理解を深めるために

Q:ピア・レビューという評価方式はどのようなものでしょうか。その特徴ならびに問題点を挙げてください。

〇:ピア・レビューの「馴れ合い」の排除は現在の方法で十分だと思いますか。あなたの意見を教えてください。