質保証情報分野別質保証

質保証情報分野別質保証

我が国では、大学における教育研究の質を保証するために平成16年(2004年)に認証評価制度が導入され、機関としての大学を単位とする「機関別認証評価」がすべての大学に対して実施されることになりました。一方で、分野の具体的な教育内容や学習成果の特性を踏まえた「分野別質保証」に関しては、「専門職大学院認証評価」、及び日本技術者教育認定機構(JABEE)や医・歯・薬・看護・獣医等の保健分野での第三者評価が実施されています。しかしながら、分野別評価はこれら以外の分野で広く実施されている状況にはないといえます。

分野別質保証については、中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」(平成 20 年 12 月24日)において、「その在り方について十分な研究が必要」と指摘されました。その後、日本学術会議において「分野別の教育課程編成上の参照基準」の策定等の取組がなされ、教育振興基本計画(平成 25 年 6 月 14 日閣議決定)ではその活用促進をはじめ分野別質保証の取組を促進することが謳われています。

分野別質保証における「分野別」としての単位として、大学の基本的な教育研究組織である学部・研究科等や学科・専攻科等における教育内容(プログラム)を対象とすることも考えられますが、諸外国では必ずしも大学内の組織ではなく、「教育プログラム」を基本単位とすることが多いといえます。我が国でも、学科・専攻内のコースや教育研究組織を横断した教育プログラムを対象とすることも多くなってきています。

中央教育審議会大学分科会審議まとめ「認証評価制度の充実に向けて」(平成28年3月18日)では「大学の質保証においては、(中略)各大学の自律的な改革サイクルとしての内部質保証機能を重視した評価制度に転換する」として、内部質保証システムの重要性を強調しています。このような状況を踏まえて、内部質保証の中で、分野ごとの教育の水準や質を高める活動が期待されます。

大学教育における分野別質保証の在り方に関する調査研究報告書(2015-2017)

平成26年度〜28年度に実施した文科省先導的大学改革推進委託事業「大学教育における分野別質保証の在り方に関する調査研究」の報告書3編。

平成26年度の報告書(2015)では、海外6ヶ国(米、英、仏、蘭、西、欧州)の分野別質保証の現状と、日本学術会議による分野別参照基準の活用の在り方の調査結果を示しています。さらに、米英仏の3ヶ国の基礎情報を網羅的に収集し、各国の主要大学における分野別質保証と内部質保証・外部質保証の実施状況を報告しています。

平成27年度の報告書(2016)では、我が国で分野別質保証を進める際の課題把握のために、学協会等を対象に調査した分析結果を報告しています。また、学協会以外で分野別評価を実施している団体へのヒアリングによる実施内容等の調査結果を報告しています。

平成28年度の報告書(2017)では、各分野の教育プログラム評価を中心とする質保証のための「内部質保証ガイドライン」を提示しています。さらに、事例として人文学分野における内部質保証や第三者評価の基準や指標の検討結果を示しています。最後に、本調査研究を総括して我が国における分野別質保証の導入に関する論点整理を行っています。

教育・研究水準の学系別評価基準のあり方にかかる調査研究報告書(2015)

教育・研究水準の学系別評価基準のあり方にかかる調査研究報告書(2015)は、平成28年度に大学改革支援・学位授与機構が実施した国立大学法人評価における学部・研究科等ごとの「現況分析」(教育及び研究の水準評価)のために、学部・研究科に対応する分野としての「学系」ごとの評価基準の在り方について実施した調査研究の成果を報告したものです。

現況分析では、認証評価による最低限満たすべき事項の確認とは異なり、学部・研究科の目的に即した取組やそれらの成果をもとに水準を評価します。本報告書には、学系ごとの教育・研究に関する具体的な評価の視点の「参考例」を示しています。

学系の中には複合的なものがありますが、本報告書では人文科学系工学系理学系農学系保健系教育系社会科学系の7分野について「参考例」を示しています。

この参考例は平成27年度に公表して大学の自己評価の参考に供するとともに、平成28年度には現況分析の評価者にも参考情報として提供しました。

大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準

日本学術会議では、「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準」を策定して報告書として公表しています。

平成29年10月1日現在、以下の31分野の参照基準文書が公表されています(括弧内は公表日)。