令和4年度大学等の質保証人材育成セミナー「高等教育と生涯学習を横断する質保証」第3回を開催します
【開催趣旨】
EU は、2017 年に採択した「欧州社会権の柱」の第一に「すべての人は質の高い包摂的な教育・訓練・生涯学習を受ける権利を有する」ことを定めました。COVID-19パンデミック後の社会・経済の復興と、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う影響に対応するためにも、ヨーロッパ全体として、誰一人取り残すことなく生涯学習の機会を保障することの重要性が高まっています。特にグリーン・トランジション(Gx)とデジタル・トランジション(Dx)のための教育・訓練の拡充は、ヨーロッパの成長戦略として重視されています。欧州市民の就業能力の強化と社会正義の実現に向けて、2025年までに「欧州教育圏(European Education Area;ボローニャプロセスが目指したEHEA(European Higher Education Area)を包摂し、生涯学習を含むものとして2020 年に欧州委員会が通達を発令。)」の構築も目指しています。こうした欧州全体の生涯学習の方向性をまず解説します。
次に、こうした方針を、EU加盟国ではどのように具体化しようとしているのか、社会人の生涯学習への参加状況や高等教育における生涯学習への対Jönköping University, SWEDEN応の仕方に相違がみられるスウェーデンとアイルランドの事例を紹介します。スウェーデンは、19世紀末に社会変革のための民衆運動から派生した民衆教育の伝統を継承しながら、1960年代末よりリカレント教育を推進してきました。スウェーデンの大学における近年の生涯学習への対応、社会人の多様な学びの成果の評価や質保証の現状について報告します。
アイルランドは、2000年から産業界と連携した生涯学習政策を導入し、社会人の学び直しが促進されたことにより、生涯学習への参加率が著しく高まりました。近年は、短期間の学びの成果を細かい履修記録として表す「マイクロ・クレデンシャル」を大学で試行的に導入していることで注目されています。コーク大学における成人教育の取り組みとマイクロ・クレデンシャル導入の事例を報告します。
欧州の中でも生涯学習推進の状況がさまざまであることを、各社会における課題の違いと照らし合わせて概観し、日本が取り組むべき方向性を議論します。
【日時】
令和5年1月30日(月)15:00~17:30
【開催形式】
オンライン開催(Zoomミーティング)
【定員】
300名程度
【対象者】
教育機関教職員、教育関係有識者、研究者
【参加申込について】
受付を終了しました。多数の申込みをいただきありがとうございました。
【内容】
令和5年1月30日(月) 15:00~17:30(2時間30分)
開会あいさつ | ||
15:05-15:35 | 35分 | EUにおける生涯学習政策 澤野 由紀子 聖心女子大学現代教養学部 教育学科教授 |
15:35-16:05 | 25分 | 高等教育機関における生涯学習、質保証とリカレント教育 Cecilia Bjursell Professor, Department of Education Director of ENCELL(全国生涯学習センター), Jönköping University, SWEDEN |
16:05-16:15 | 10分 | Q & A |
16:15-16:45 | 20分 | 高等教育機関へのマイクロ・クレデンシャル導入の影響 Lyndsey El Amoud Assistant Director in Adult Continuing Education University College Cork, IRELAND |
16:45-16:55 | 10分 | Q & A |
16:55-17:00 | 5分 | 休憩 |
17:00-17:30 | 30分 | 全体ディスカッション |
お問い合わせ先
大学改革支援・学位授与機構 評価事業部 評価企画課 企画第2係
Email:hyokikaku2[at]niad.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。