機構の大学評価早わかり15 法人評価における研究業績水準判定の基本的考え方

機構の大学評価早わかり15 法人評価における研究業績水準判定の基本的考え方

前へ 項目表 次へ

― 15 ―

法人評価における研究業績水準判定の基本的考え方

研究業績水準判定は、国立大学法人の代表的な研究実績について研究分野別に水準を評価するものです。

現況分析は、教育研究を学部研究科などの部局ごとに評価することになっています。しかし、今日では研究はきわめて専門化・細分化されています。部局単位という括りでは、なかなか適正な評価を下すことはできません。そこで、研究に関してはさらに単位を小さくして、研究分野別に評価体制を組み、その結果を現況分析に参考として提供することにしました。このため、研究業績水準判定が設けられました。

研究分野といっても、その分け方は考え方によって異なるでしょう。そこで第3期法人評価では、科学研究費助成事業で使われている「科学研究費助成事業 審査区分表」の分類を援用しています。この審査区分表の分類は小区分、中区分、大区分の3分類からなりますが、ここで使われるのは「小区分」、「中区分」です。

研究業績水準判定は、「研究業績水準判定組織」が実施します。この組織は上記「中区分」を単位とする専門部会によって構成されており、専門部会の数は65になります。専門部会を担う専門委員は、その分野で著名な業績をあげた研究者です。

研究業績水準判定のために大学側が提出する自己評価書が「研究業績説明書」です。ここには部局ごとの研究業績が説明されています。各専門部会に「小区分」ごとに配置された評価者2名が、この研究業績を、テーマごとに水準判定をします。

専門部会では、割りふられた研究業績説明書について、2名の評価者がその水準を3段階で判定します。判定にあたっての基準は、その業績にいかなる意義があるかです。意義には、その研究分野への学問的影響を見る「学術的な意義」と、学問を越えた一般社会への影響を判定する「社会、経済、文化的意義」の2つがあります。

研究業績の水準判定の区分と判断基準 図.研究業績の水準判定の区分と判断基準

◆豆知識

科学研究費助成事業 審査区分表

「科学研究費助成事業 審査区分表」は科学研究費助成事業(科研費)の審査区分を示すもので、科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部において決定されている。申請者は、自らの応募研究課題に最も相応しい審査区分を区分表から選択し、申請を行う。なお、最新の審査区分表は日本学術振興会ホームページに掲載されている。

出典
・科学研究費助成事業「審査区分表」の決定(文部科学省)(https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1380667.htm)※外部サイトへリンクします
・日本学術振興会ホームページ(https://www.jsps.go.jp/)※外部サイトへリンクします

大学質保証ポータル内の関連する案内

☞さらに理解を深めるために

Q:研究業績水準判定とは、国立大学の活動のうちの何を評価するのでしょうか。

(2024年2月28日更新)